体脂肪は必要なのか


最初に確認しておきたいのが、私たちにとって体脂肪は必要なのかという点です。

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結論から言ってしまうと、体脂肪は私たちにとって「必要不可欠」なものです。

今の日本では、体脂肪は健康診断の際に高いと、医者に体脂肪を落とすように指示されます。

体脂肪率が高すぎると、生活習慣病になる可能性があるからです。

しかも私たちは、体脂肪率が低い人ほど体重も少なく、綺麗な気がしてしまいます。

しかしこれは大きな間違いです。

体脂肪とは身体の中の脂肪が占める割合を表しています。

つまり体脂肪率10%というと、身体の10%が脂肪でできているということです。

筋肉は同じ大きさなら脂肪の4倍の重さがあると言われています。

つまり、体脂肪が少ない人の方が、体脂肪が多い人よりも体重が重い可能性は十分にあるのです。

また体脂肪が低ければ良いというわけでもありません。

体脂肪が極端に少なくなってしまうと、女性の場合は、正常にホルモンが分泌されなくなり生理不順や無月経、骨粗しょう症につながる可能性があります。

鍛えている女性アスリートで生理がこなくなってしまうという話はよく聞きますが、これは体脂肪率が低くなりすぎているケースが多いのです。

急なカロリー制限や食事制限を行うことで、体脂肪率が激減してしまった女性にも同様の症状が起こり得ます。

体脂肪を考える上で重要なのは、「適正な体脂肪率であるか」ということです。

体脂肪の役割

それでは体脂肪は私たちにとってどのような役割を果たしてくれているのでしょうか。

体脂肪は、健康を維持していくためにとても重要な役割を持っています。

例えば暖かいときや寒い時の体温調節、ホルモン分泌、エネルギーの備蓄などが挙げられます。

また、体脂肪は骨や筋肉、内臓の構築にも必要な要素となっています。

年齢や性別によって適正な体脂肪率は異なりますが、体脂肪率は20%前後が理想と言われています。

体脂肪率は高すぎることや低すぎることで、生活習慣病の誘発、免疫力の低下や、不妊など多くの可能性をもたらします。

男性よりも女性の体脂肪率が高い理由

一般的に男性よりも女性のほうが体脂肪率は高いとされています。

適正体脂肪値を確認してもそれは一目瞭然です。

男性よりも女性の体脂肪率が高い理由はなぜなのでしょうか。

その理由は女性ホルモンにあります。

女性というのは男性と違い妊娠や出産をします。

これは男性には絶対なない現象ですよね。

そのため、女性には妊娠・出産ができるように、体内のホルモンが働きかけるようにできているのです。

女性は男性に比べ丸みを帯びていることが多いのもホルモンの影響です。

女性に皮下脂肪が多いのは、ホルモンの影響で内臓脂肪ではなく皮下脂肪がつきやすくなっているので、皮下脂肪が多くなっていくのです。

一方で男性は、女性ホルモンの影響が少なく、皮下脂肪に変えるという影響を受けていないので、脂肪がそのまま内臓脂肪に変わっていってしまうのです。

体脂肪率は低いほうが理想なの?


先ほども説明しましたが、体脂肪は低い方がいいというわけではありません。

健康診断などでも低い方が良いと言われることが多いのは、現在の日本が肥満と言われる人が多いことと、女性の多くが痩せている方が綺麗だと考えているからです。

厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、現在の日本人の肥満の割合は男性28.4%、女性18.7%となっています。

つまり男性の約3割が、女性の約2割は肥満と言われています。

日本は医療保険が充実している国なので、保険に入っていれば3割の負担ですみます。

これは国が国民の代わりに負担しているのですが、日本人全員が5キロ痩せたら、国家の負担は数千億円軽くなるとまで言われています。

これらの背景から日本では痩せた方がいいという世論が出来上がっているのです。

そしてもうひとつは女性の過剰な痩せ願望です。

モデルや芸能人などが、脂肪が減ったという画像をあげ、それに触発されて自分も同じように痩せようと思っている女性が数多くいますが、そもそもこれが間違いの始まりです。

もちろん、モデルや芸能人のように痩せて綺麗になるのは素晴らしいことです。

しかしそのために極端な食事制限など急激な減量を行なって、脂肪だけでなく必要な筋肉までも減少させることで、モデルに近づこうとする人がいますが、それでは長続きはしません。

適切な体脂肪率を保つためにも、計画的な減量が必要になってきます。

体脂肪率が高過ぎるとどうなるか

ちなみに体脂肪率が高すぎるとどのような影響があるのでしょうか。

肥満の定義ですが、男性だと体脂肪率22%以上、女性だと35%以上の場合(年齢によって多少の前後はあります)です。

肥満というとそれだけで不健康というイメージですが、実は肥満であること自体はとりわけ病気に関係しているわけではありません

よく成人病になると言われますが、成人病とは脳溢血、脳血管障害,癌,心臓病,高血圧,動脈硬化,糖尿病などの病気の総称を指しており、特定の病気を指す言葉ではありません。

ただ多くの場合は、肥満体型の人は病気重い病気にかかりやすいために、肥満は解消した方がいいと言われています。

特に気をつけたいのは内臓脂肪が多いケースです。

女性よりも男性の方が陥りやすのですが、内臓脂肪が増えすぎると、動脈硬化につながってしまい、最悪心臓病や脳卒中につながってしまいます。

日本人の死因の上位3つは、がん、心臓病、脳卒中ですので、気をつけるにこしたことはありません。

体脂肪率が低過ぎるとどうなるか

逆に体脂肪率が低すぎるとどうなってしまうのでしょうか。

体脂肪率が低すぎる場合、体温や筋力の低下につながってしまいます。

これは、人間がエネルギーを使用する際に脂肪を使っていることが原因です。

そのために体温を十分に生み出すことができなくなってしまったり、脂肪がないので筋肉を分解してエネルギーを生み出すことで筋肉量も減っていくという現象が起きます。

また皮下脂肪が多いことによって、体温が外に逃げ出すことも防いでいます。

このように脂肪には多くの役割があり、低ければいいというものでもありません。

女性の場合は体脂肪率が低すぎると、ホルモンの分泌に異常がでることで、生理不順や不妊、骨粗しょう症などをもたらす可能性があります。

また脂肪が薄いことで体温が低下しやすくなり、免疫力が低下するというデメリットもあります。

体温が一度違うだけで、免疫力は6倍違うとまで言われているので、痩せている人が風邪を引きやすいというのはここからきているのです。

体脂肪率の計算の仕方と分類について

それでは具体的に体脂肪率はどのように出せばいいのでしょうか。

体脂肪率の計算方法は、

 

体脂肪率(%)=体脂肪の重さ(kg) ÷ 体重(kg) × 100」です。

 

しかしこの方法だと体脂肪の重さがわからないので、体脂肪率を計算することはできません。

いますぐに、自分の肥満度を計測したいという人にはBMIという肥満指標があるので、こちらで測ってみてください。

BMIとはボディマス指数との略で、身長と体重から肥満度を数値で表します。

実際の体脂肪率はこれでは測ることはできませんが、目安となる指標を得ることはできます。

 

BMI指数 = 体重(kg)  ÷  身長(m)  ÷  身長(m)

 

例えば体重50kgで身長が160cmの女性の場合は、

55 ÷ 1.6 ÷ 1.6=19,53となります。

 

一応目安となるBMIの基準はこちらに記載しておきます。

低体重(痩せ型)                18.5未満

普通        18.5~25未満

肥満(1度)         25~30未満

肥満(2度)         30~35未満

肥満(3度)         35~40未満

肥満(4度)         40以上

 

この条件だと、例の女性は普通に該当するということです。

標準のBMIは22とされており、BMIが25以上の人は肥満に該当すると言われています。

女性はBMI20で美容指数BMI19でモデル指数と言われているので、この基準を目指して頑張るのはいかがでしょうか。

年齢・性別ごとの理想の体脂肪率

BMIは目安となる基準値を測ることはできますが、実際の体脂肪率を測ることができません。

その理由としては、鍛えている人は筋肉が多くなり脂肪がすくなることで、体重が増えていくからです。

同量の場合、脂肪の4倍筋肉は重いと言われているので、筋肉をつけていくと必然的に体重は増えていくのです。

そこで今回は体脂肪率を正確に測ることを前提に話を進めていこうと思います。

まずは男性の年齢ごとの理想の体脂肪率を見ていきましょう。

<18歳~39歳>

やせ ~10%

標準(-) 11~16%

標準(+) 17~21%

軽肥満 22~26%

肥満 27%~

 

<40歳~59歳>

やせ ~11%

標準(-) 12~17%

標準(+) 18~22%

軽肥満 23~27%

肥満 28%~

 

<60歳~>

やせ ~13%

標準(-) 14~19%

標準(+) 20~24%

軽肥満 25~29%

肥満 30%~

 

次に女性の年齢ごとの理想の体脂肪率を見ていきましょう。

<18歳~39歳>

やせ ~20%

標準(-) 21~27%

標準(+) 28~34%

軽肥満 35~39%

肥満 40%~

 

<40歳~59歳>

やせ ~21%

標準(-) 22~28%

標準(+) 29~35%

軽肥満 36~40%

肥満 41%~

 

<60歳~>

やせ ~22%

標準(-) 23~29%

標準(+) 30~36%

軽肥満 37~41%

肥満 42%~

男性の体脂肪率の平均

先ほど理想の体脂肪率を見ていきましたが、男性の健康的な平均値は10~19%といわれています。

ただアスリートには一般時とは全然見えている景色がということが言えます。

以下は日本人の男性アスリートの一例です。

  • 長友佑都 4%
  • イチロー 5%
  • 室伏広治 3%
  • 内村航平 3%

毎日朝起きてから夜寝る前までトレーニングを続けているからこそできる数字ではありますが、彼らは特殊な例であり、一般的には10~19%を目指すべきだと言えます。

女性の体脂肪率の平均

女性の健康的な平均値は20~29%と言われています。

女性の場合男性のように体脂肪を大きく削ってしまうと、生理不順や骨粗しょう症になってしまう恐れがあります。

以下はアスリート、芸能人、モデルの体脂肪率の一例です。

  • 浅田真央 7%
  • 榮倉奈々 17%
  • 山田優 15%

いかがでしょうか。

やはり特出しているのはアスリートの浅田さんですが、あれほど綺麗な榮倉さんや山田さんでも15%はあります。

理想の体脂肪率になるために必要なこと


いかがだったでしょうか。

体脂肪率が低ければいいというものではないということは理解いただけたのではないでしょうか。

それでは理想の体脂肪率になるためにはどのようなことをする必要があるのでしょうか。

運動

まず欠かせないのが運動です。

運動をすることで汗をかいてカロリーを消費するのはもちろんのこと、筋肉も同時についていきます。

筋肉がついていく基礎代謝量が増えるので、脂肪を燃焼しやすくなります。

結果的に、痩せやすい体質へと変わっていくのです。

ランニングを毎週行うなど定期的な運動を行えるのあればベストですが、それが難しい場合は週に一度でいいのでウォーキングなどを行なってみるといいでしょう。

またヨガや散歩でも十分に効果はあるので、是非やってみてください。

食事

次に欠かせないのが食事。

せっかく運動をしてもしっかりとした食事を取らなければ、健康的に痩せていくことはできません。

3食食べるのはもちろんのこと、食事の質にも気をつけましょう。

炭水化物、脂質、タンパク質をしっかりとり、忙しくても1日に1度は新鮮な野菜を摂るように心がけましょう。

睡眠

最後に重要なのが睡眠。

運動と食事に比べ、軽視されがちなのが睡眠ですが、人間は寝ている間に身体を休めて回復します。

そして、ダイエットに必要なホルモンの分泌や、肌の調子を整えるホルモンも寝ている間に分泌されるのです。

忙しい中でも、1日に6時間は最低でも寝るようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

私たちが日頃高いことばかり気にしている体脂肪率ですが、体脂肪は私たちを守ってくれるものであり、低くすればいいというわけではありません

適切な体脂肪率を保つことで、本当の意味での、健康で綺麗な身体を手に入れることができます。

理想の体脂肪率に向かって、運動、食事、睡眠に気をつけていきましょう。

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