タバコを吸うと痩せるのか


タバコを吸ったことのある方からよく耳にする「タバコを吸うと痩せられる」という話は本当なのでしょうか?

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ここでは、タバコがダイエットに効果があると言われている理由についてご紹介します。

ニコチンで代謝促進

タバコに含まれている主な成分としてニコチンが挙げられますが、ニコチンの作用により痩せられる可能性が実はあるのです。

ニコチンには、心拍数をアップして基礎代謝を促進する効果があると言われています。

基礎代謝が促進するのであれば、栄養分をエネルギーに変える効率が高まり、太りにくくなりそうですよね。

特に、ニコチンは脂肪の代謝を刺激すると言われているため、脂肪を溜め込まずにスムーズに分解する効果が期待できます。

空腹感の麻痺でお腹が空かない

タバコの主な成分であるニコチンは、脳内にある満腹中枢を刺激して食欲を抑制する効果も期待できます。

また、ニコチンは脳の神経細胞にも働きかけて、食欲を抑制する信号を発する作用があると言われています。

すると、お腹が空いているという感覚が麻痺して、お腹が空かなくなりますし、食べる量が減少するのです。

気持ち的に抑制するのではなく、脳の信号により食欲を抑制することができるので、食べる量が自然と減ってダイエットに効果がありそうですね。

脂肪燃焼ホルモンが増加する

私たちの体には、自分の意思により働く体性神経、胃腸の働きの抑制・血管の収縮など自分の意思に関係なく働く自律神経の2つの神経があります。

この2つの神経のうち、自律神経は、交感神経と副交感神経に分けることができ、ニコチンはこの両方に影響すると言われています。

ニコチンが吸収されると、副交感神経が活性化され、リラックスした気持ちになったり、胃腸の動きを活発にしたりします。

胃腸の働きが活発になるほか、胃の中の酸や酵素も増加させる働きもニコチンにはあります。

酸が増加すると、胃に不快感や気持ち悪さを感じることになるため、食欲を抑制することができるのです。

また、交感神経の中枢も活性化されることで、脂肪を分解して燃焼するホルモンを増加する効果も期待できます。

禁煙中に太るって本当?

タバコを吸っている方の中には、健康のことや周りの人たちのことを考えて禁煙しようとした経験がある方もいるでしょう。

しかし、タバコをいざ止めてみると、食欲が前よりも増加したのか、ついつい食べ過ぎて太ってしまった…ということもあるようです。

せっかく健康のことを考えて禁煙したのに、太って体脂肪が増えてしまうのでは健康に良くなさそうですよね。

ここでは、禁煙中に太ってしまいやすい理由について見ていきましょう。

イライラから食べすぎる

タバコを吸うとニコチンの作用により、気分が落ち着いたり、脳の働きが良くなったりします。

しかし、タバコは吸えば吸うほど、ニコチンへの依存度を高めてしまうので、ニコチンを強く求めてしまう衝動に駆られます。

また、タバコを吸うのが当たり前になってしまうと、禁煙中は口寂しさや手持無沙汰さを感じるようになり、心に余裕がなくなってしまいます。

このようなタバコを吸いたい欲求や口寂しさから、集中力が低下したり、イライラしたりすることが多くなってしまうのです。

しかも、何かで口寂しさを癒そうとするがために、タバコを吸う感覚で何かをつまもうとする行動が出始め、食べる量が増加。

タバコを吸わない代わりに、何かを食べているわけですから、太るのは当然と言えるでしょう。

しかし、イライラや口寂しさなどを我慢して食べる量が増えさえしなければ、禁煙により太るリスクは軽減されます。

味覚が元に戻って美味しく感じる

タバコを吸うことにより、肺や気道と言った呼吸器系のもの以外にも、味覚や嗅覚にも悪影響を及ぼします。

タバコには、ニコチンやタールと言った成分が含まれていますが、これらは舌の甘み・酸味などを感じる機能の働きを麻痺させると言われています。

また、タバコの煙に含まれている物質によって、臭いを正常にかぎ分ける細胞に悪影響を及ぼし、嗅覚が鈍くなるとされています。

食べ物を食べる時には、見た目だけでなく、味や香りなども楽しみながら食べるとおいしく感じますよね。

しかし、タバコを吸い続けると味覚や嗅覚の働きが低下して、食べ物本来の美味しさを楽しむことができなくなってしまうのです。

禁煙している方の中には、食事が普段よりも美味しくなった、香りをはっきり感じられると感じている方もいるでしょう。

禁煙すれば徐々に低下した嗅覚や味覚は正常に戻っていくため、今までよりも美味しく食事を取ることができるようになります。

そのため、ついつい食べ過ぎてしまって体重が増えてしまう…なんてことも起こりえるんですね。

タバコのダイエットへの悪影響


タバコは体に悪いイメージがある反面、代謝を促進したり、食欲を抑制したりとダイエット効果が期待できそうでしたよね。

しかし、タバコを吸い続けることにより、ダイエットに良い影響どころか悪い影響を及ぼしてしまうのです。

筋肉を減らしてしまう

タバコに含まれているニコチンには、脳内の神経伝達物質の材料カテコールアミンと呼ばれる物質を増加させると言われています。

この物質が増加すると、糖の吸収率が低下してしまい、糖を体に取り込めなくなってしまいます。

体から糖が不足してしまうと、人間の体はエネルギーに変換する次の材料として筋肉を分解。

筋肉が多いほど基礎代謝が高く、筋肉が少ないほど基礎代謝が少ないと言われるように、筋肉と基礎代謝は大きく関係します。

筋肉が分解されて減少してしまうと、基礎代謝も低下してしまい、消費活動やデトックス効果も低下

その結果、脂肪が付きやすく太りやすい体質になってしまうのです。

筋肉が落ちてたるんだ姿よりも、筋肉が程よく付いて引き締まっている姿の方が美しく見えますよね。

しかも、筋肉が程よく付いていればエネルギー消費効率が高いため、リバウンドもしにくく美ボディをキープしやすくなります。

引き締まったスリムなボディを手に入れたいのであれば、筋肉を適度に付けることができるダイエット方法を選ぶべきでしょう。

運動能力が下がる

タバコを吸っている方で、運動するとすぐに息切れたり、疲れてしまったりすると言ったような経験はありませんか?

タバコの煙は、肺胞の細胞を傷つけ、炎症を起こさせますし、肺機能を低下させます。

そのため、酸素を体に取り入れようとする力も低下してしまい、酸素を多く必要とする運動の量は減少。

運動をする機会があったとしても、すぐに息切れしてしまうため、運動能力の低下は明らかです。

しかも、タバコにより、筋肉量も減少してしまうため、自分が思っているような動きができずにパフォーマンスは低下してしまいます。

血糖値が上がる

タバコを吸うと、血糖値が上がり、高血糖になるリスクも高まります。

喫煙者には、すい臓から分泌されるインスリンが正常に働かない状態であるインスリン抵抗性があり、血糖値を下がりにくくすると言われています。

インスリンには血糖値を下げる役割がありますが、正常に働いていない状態が続けば、血糖値の高い状態が続くため、糖尿病も発症しやすくなるのです。

長期間喫煙している方やヘビースモーカーの方は要注意ですね。

また、タバコには脂肪を分解する酵素を低下させて、脂質異常を引き起こすリスクがあると言われており、中性脂肪や内臓脂肪などが増えやすくなるのです。

ダイエットをして見た目を美しくしたいのに、タバコでメタボ気味になってしまうのは嫌ですよね。

食欲を抑制するなどタバコにはメリットがありそうですが、長い期間で見てみるとダイエットには向いていないようですね。

タバコの体への影響


タバコを吸い続けることで、ダイエットに悪い影響を及ぼすだけでなく、体にも影響を及ぼします。

タバコを吸うと肺の病気にかかりやすいと言うイメージがありますが、他にもデメリットがあるのです。

お肌が荒れる

タバコを長い期間吸い続けていると、細胞や血管などを酸化・老化させる活性酸素という物質が体内に多く発生するようになります。

活性酸素が多くなると、シミを生み出したり、潤いやハリを失わせてしわを作ったりすると言われています。

若々しく明るい印象を与えるためには、目や口元などの印象が大切になりますが、しわやシミの方が目立つようになってきてしまいます。

また、肌の調子も悪くなり、肌が荒れたり、全体的にくすんだりして暗い印象に。

美しくなりたい女性にとっては天敵ですよね。

また、唇の乾燥や白髪の原因ともなるため、見た目が実際の年齢よりも老けて見えることもあるのです。

病気の原因になる

タバコを吸って一番心配になるのが、肺や気管系の病気になることですよね。

タバコをいつも吸うことで、病気のリスクは高まりますし、命を脅かすような重大な病気になることもあります。

肺の病気以外にも、引き起こす恐れがある主な病気を以下にご紹介します。

肺がん

喫煙により発症リスクが吸っていない人と比べて、なんと4~5倍も高まると言われています。

タバコだけが要因ではないかもしれませんが、タバコは肺がんの高リスク因子であり、喫煙を止めれば肺がんのリスクを低下させることができることが分かっています。

COPD

以前は慢性気管支炎、肺気腫などと呼ばれていた病気であり、COPD発症の原因の90%がタバコの煙とされています。

タバコの煙に含まれる体に悪影響を与える物質を長きにわたって体に取り込むことで、肺が炎症を起こすことで起こる病気です。

この病気は気づかずに進行している場合があるので、息切れや咳、たんなどと言った気になる症状が続くようなら医師に相談した方が良いでしょう。

肺炎

タバコを吸うと、外から侵入してくるウイルスや細菌への防衛力が弱まり、病原体が肺に届きやすくなるため、炎症を起こしやすくなります。

肺炎を発症すると、咳や発熱、胸の痛みなどが続くようになり、さらに悪化すると健康的に生活するのが難しくなってしまいます。

高血糖や動脈硬化

タバコは血圧を上昇させ、血液の滞りを引き起こすリスクも高まるため、動脈硬化が促進する恐れがあります。

喫煙習慣が続くと、悪玉コレステロールが血管に溜まりやすくなり、善玉コレステロールが減少していき、動脈硬化を防ぐことが難しくなります。

動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞などと言った命に関わる病気を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

糖尿病

糖尿病とは、血液中にブドウ糖があふれている状態のことを指し、進行すると動脈硬化を促し、脳梗塞や心筋梗塞を起こす恐れがあります。

タバコを吸うと、糖の量をコントロールするインスリンの働きを妨げてしまうため、糖尿病のリスクが高まります

体中のがん発症と関係

タバコを吸うことでがんのリスクが高まるのは、肺だけではなく、がん全体のリスクが高まることが分かっています。

胃がんや膵がん、食道がん、子宮頸がん、乳がん、大腸がん、肝がんなどと言ったような全身にがんを発症するリスクが高まるのです。

骨粗鬆症

骨量が減って骨折しやすくなる病気ですが、この病気もタバコと大きく関係があります。

タバコを吸うと、血流が悪くなり、カルシウムの吸収も阻害するため、健康な骨を作ることが難しくなるのです。

また、女性の場合だと女性ホルモンの分泌を阻害すると言われており、骨量の減少を招きやすくなります。

うつ病

喫煙は、体だけでなく、精神的にも悪影響を与えます。

タバコに含まれるニコチンによって快楽や安心感を一時的に得ることができるものの、喫煙を繰り返していくうちに効果が薄れて、うつ症状が出やすいと言われています。

タバコを吸うとイライラやストレスが発散されたような感覚になりますが、一時的なものとして考えた方が良いでしょう。

健康的なダイエットなら禁煙がおすすめ


タバコには、食欲抑制効果や代謝促進効果がありますが、長期的に見れば病気のリスクが伴うということが分かりましたね。

「タバコを吸えば痩せる」と安易に吸い始めてしまうと、なかなか抜け出せなくなり、気が付いた時には体にも肌にも悪影響が出てきます。

美しく痩せるはずが病気にかかって、生活に支障が出る状態になるのは困りますよね。

タバコによるダイエットは、健康的な痩せ方とは言えません

タバコのメリット・デメリットを知ったうえで、体への影響や将来的なリスクを考えてみましょう。

健康的にダイエットするなら喫煙をして、他のダイエット方法を考えてみることをおススメします。

ダイエットしたいのにどうしてもタバコを止められない場合には、電子タバコを活用してみたり、禁煙外来を利用したりしてみましょう。

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