ストレス太りを解消する方法はあるの？

人間は常に何らかのストレスにさらされているものですが、それを強く感じ過ぎてしまうと、ホルモンバランスが乱れて体調や感情面に様々な変化がおきます。

その一つがストレス性の肥満、いわゆる「ストレス太り」です。

ストレスを溜め込んでしまうと、肥満の他、重大な病気になる可能性もありますから、放置するのはよくありません。

そこで今回は、ストレス太りの原因と対策方法をご紹介します。

しっかりとケアして、重大な状況にならないように予防・解消していきましょう。

ストレス太りの原因と危険性

まずは、ストレスで太る仕組みからみていきましょう。

仕組みを知ることは対策を立てる第一歩となりますから、しっかりと読んでくださいね。

原因

ストレスを強く感じることは精神的なもの。

一方、太るというのはカロリーオーバー、つまり物質的なもの。

この二つは一見すると無関係に思えますよね。

しかし実際には、ストレスと肥満には密な関係があるのです。

人間はストレスを強く感じた時、「食欲をコントロールできなくなる」「消化不良を起こす」「呼吸が浅くなる」などの状態になりがちです。

「食欲をコントロールできなくなる」ということは食べ過ぎに繋がりますし、「消化不良を起こす」ということは腸内環境を悪化させ老廃物が溜まりやすく、代謝が悪くなります。

また、「呼吸が浅くなる」という症状も呼吸時に筋肉を動かす量が減ることから代謝の減少を招きます。

これらはどれもダイエットの天敵で、ストレスによって慢性的な症状となれば、ダイエットどころかどんどん太っていってしまいます。

さらに、ストレスを感じたときに分泌される「コルチゾール」というホルモンは、内臓脂肪を増やしたり、脂肪を体内に蓄積させる働きがあります。

以上のような作用によって「ストレス太り」が引き起こされると考えられています。

危険性

ストレスによる悪影響は肥満だけではありません。

長年の研究によって、免疫力や抵抗力が低下し、病気にかかりやすくなることが分かっています。

臓器にも悪影響がでて、特に「腎臓」「肝臓」「甲状腺」の３つは影響を受けやすいようです。

そして、ある意味もっとも怖いのがストレスによる精神疾患です。

近年、精神疾患になる人が急増していて、症状が重くなると長期の入院が必要になることもあります。

お笑い芸人の岡村隆史さんが半年ほど療養入院したことがありましたが、その原因が精神疾患だったのではないかと言われていますよね。

岡村隆史の場合は比較的軽い症状だったのかもしれませんが、酷くなると「長期間お風呂に入らない」「言動が支離滅裂になる」「徘徊する」などの行動がみられるようになります。

そうなるともはやダイエットどころではなくなってしまいます。

精神疾患は非常に怖い病気ですので、その原因となるストレスはなるべく溜め込まないようにしましょう。

ストレス太りを解消する方法を教えます

太ってしまった大元の原因がストレスであるならば、そのストレスを解消しなければどんなダイエット方法も成功しません。

太ってしまったことからすぐに食事制限ダイエットなどを開始したくなるところでしょうが、その前にまずは、ストレスの解消を行うことが先決なのです。

「急がば回れ」ということですね。

ストレスを溜めない生活を送る

ストレスを感じるなと言われてもなかなか難しいと思います。

具体的にどうすれば感じないのかも分かりません。

なので、受けてしまったストレスをどう逃がすのか、どうやって溜め込まずに生活していくのか、それを考えることの方が有効です。

たとえば、日本で多くの社会人が行っているのが同僚との飲み会、いわゆる「飲みにケーション」です。

物事をハッキリという傾向のある欧米人と違って、日本人は我慢・忍耐が美徳とされる傾向があります。

そして、この我慢・忍耐が必要とされる場面が多いのが、職場です。

そのため、日本人は職場で大きなストレスを受けていると言われており、それを発散させるために自然とできた風習が「飲みにケーション」なのです。

同僚と飲みにいくと職場のグチになりやすく、「楽しかった」というよりは「悩みを話せた」という気持ちの方が強くなると思います。

これは話相手が自分と同じ境遇にいるからこそ理解してもらえることであり、理解してもらえた分、話せたことに満足感を感じるのです。

そうやって日々のストレスをこまめに解消していくのは、精神衛生上、とても重要なことなんですよ。

お風呂にしっかりつかる

お風呂に入るという行為が精神面に非常に良い効果を与えることは広く知られていますよね。

それゆえに、元々入浴するという風習のない欧米でも、温泉がブームになっていたりします。

もっとも、あえて温泉などにいかなくても、「適度な温度のお湯につかる」ことがポイントなので、自宅のお風呂でも充分にリラックス効果があります。

それに加えて、オイルや入浴剤で自分の好みの香りをだすこともオススメです。

筋トレをする

運動後はスッキリとした感覚になるものですが、それはそう感じる伝達物質が出るからです。

この「スッキリ」という感覚を実感している時、人はストレスを発散していると言われています。

中でも筋トレは、スッキリ感だけでなく、筋肉の量を増やして基礎代謝をあげるダイエット効果もあるので、ストレス太りの解消にとても効果的です。

最初のうちは軽い筋トレでも良いので、まずは「スッキリ」を実感できる程度のトレーニングから始めると良いですよ。

大豆イソフラボンを摂取する

ストレスを感じることが多くなってきた現代社会において、注目の成分があります。

それが豆乳などに多く含まれている「大豆イソフラボン」です。

この大豆イソフラボンは、抗ストレスホルモンと呼ばれていて、ストレスへの耐性を高めてくれる効果があります。

美味しく豆乳を飲むことでストレスを感じにくい体質になれるのであれば、それに越したことはないですよね。

「プレッシャーに弱い」「落ち込みやすい」「感情の起伏が激しい」などに該当する自覚のある人は、ストレスの影響を受けやすい可能性があります。

そういった人は日頃から豆乳を飲むようにしておくとかなり軽減されるかもしれませんよ。

ストレス太りで太った後に痩せる方法は？

さて、ストレスそのものを解消できたところで、いよいよダイエット開始となります。

ここでは、数あるダイエット方法の中でも、痩せる効果とストレス発散効果の両方をもつダイエット方法をご紹介していきます。

適度な運動をする

ストレスの解消法のところでは筋トレをご紹介しましたが、太ってしまった体をしぼるにはランニングやウォーキングといった有酸素運動が有効です。

これは有酸素運動に脂肪燃焼効果があるからなのですが、実はもう一つ理由があります。

それはリズミカルな運動を行うことによって「幸せのホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が分泌されるからです。

セロトニンは、心のバランスを整える作用をもっています。

そのため、セロトニンが増えていくと、暴飲暴食やギャンブル等、やらない方が良いと分かっているのについやってしまうような行為が抑制されるのです。

ストレス太りの原因の一つに食欲がコントロールできないことが考えられますが、セロトニンがしっかりと分泌されていれば、それもコントロールできるようになります。

カラオケで歌う

カラオケは効果的なダイエット方法の一つです。

曲によって20キロカロリー以上も消費するものがあり、楽しみながらできる燃焼系ダイエットとしてとても効果的です。

また、友達とカラオケをしている際中に笑ったり、歌う時に大声を出したりという行為は、ストレス発散に大きな効果があります。

歌いながら踊ったりすれば運動にもなるので、さらにダイエットとストレス発散になりますよね。

ストレスが原因で太ってしまった人には特にオススメのダイエット方法ですよ。

深呼吸をする

「幸せのホルモン：セロトニン」がリズミカルな運動によって増えるとご紹介しましたが、実は深呼吸するだけでもセロトニンが増えていくのです。

人間はストレスを感じると、無意識のうちに呼吸が浅くなります。

その結果、セロトニンが少なくなってしまい、余計にストレスを感じるようになるのです。

それを解消するためには、深呼吸をして、たくさんの酸素を吸い込むことでセロトニンを増やせば良いのです。

緊張した時や気分を落ち着かせたい時に「深呼吸して」と言われることが多いと思います。

あれは深呼吸によってセロトニンを増やし、心のバランスを取り戻すことを目的としているのです。

実はこんな方法でも痩せることができるかも？

さて、今回のテーマはストレス太りなので、ダイエット方法においても精神的に作用するものをもう少しご紹介したいと思います。

恋をする

一般的に、恋をすると相手とのことを妄想してドキドキしたり、楽しい気分になったりしますよね。
この時、脳内ではβエンドルフィンという快楽物質が分泌されています。
このβエンドルフィンは、別名「脳内モルヒネ」とも呼ばれていて、ストレスで失われるセロトニンの分泌を促してくれます。
セロトニンに心のバランスを保つ効果があるのはすでにご紹介した通りです。
セロトニンは暴飲暴食や睡眠不足、イライラなどを抑えてくれるので、カロリー摂取が減ったり、代謝がよくなったりすることが考えられます。
また、セロトニンは免疫細胞を活性化させてくれるので、アレルギーやウイルス、細菌性の疾患にもかかりにくくなります。
昔から「女性は恋をすると綺麗になる」と迷信のように言われてきましたが、セロトニンの効果を考えると、案外科学的根拠に基づいた話だったのかもしれませんね。

自分の好きなことをする

自分の好きなことをしていると、時間を忘れてつい没頭してしまいがちですよね。

実はこの時間も恋をした時と同様にβエンドルフィン（快楽物質）が分泌されているのです。

ストレス発散には趣味をもつようにした方が良いと言われますが、それはこのことなのですね。

ちなみに、近年女性の趣味として人気なのが山登りです。

山登りは有酸素運動にもなりますし、ゴールにたどり着いた時の達成感でスッキリとした感じにもなります。

空気が美味しいので、思わず深呼吸もします。

これらを考えると、山登りはストレス太りを解消する趣味としては最適といえるでしょう。

一般的に男性よりも女性の方がストレスを感じやすいと言われていますが、山登りをする人に女性が多いことと関係があるように思います。

部屋でアロマを焚く

香りとセロトニンの関係も非常に深いものがあります。

ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果の高いアロマを焚くことで、セロトニンが増え、心のバランスが保たれるからです。

その結果、深くて良質な睡眠がとれたり、イライラがおさまったりするなど、ストレスの発散ができます。

「たかが香りでそこまでの効果が本当にあるの？」と思う人もいるかもしれません。

しかし、エステや高級マッサージの店内で良い香りを嗅いだ瞬間、気分が和らいだような感覚になったことがある人は多いはずです。

ストレスが原因で太ってしまった人にとっては、この「気分が和らぐ」という感覚が非常に大事なのです。

そういった人は、毎晩寝る前に数分間アロマを焚くだけでも、大きなダイエット効果になるかもしれませんよ。

ただし、アロマの中には集中力を高めたり、興奮・覚醒状態にするものもあります。

どんなに好きな香りだからといっても、そのような香りではリラックスできませんから気をつけてくださいね。

ストレス太りには気をつけよう

現代社会ではほぼ全員が多くのストレスを感じながら生活しています。

一見、ストレスなど無さそうな人であっても、実はストレスを感じているのです。

おそらく、ストレスを感じるという点においては世の中の人間全員が公平なのではないでしょうか。

ただし、その後ストレス太りする人としない人がいます。

その違いはストレスを受けたかどうかではなく、ストレスを発散できているかどうかだと考えられます。

なので、ストレスが原因で太ってしまったと思われる場合は、まずはそのストレスを発散させることから始めるべきです。

そうやって十分にストレスを発散させてから具体的なダイエットに取り組めば、きっと効果が出ると思いますよ。

普段気分的に暗くなりがちな人はとくに、ストレスを発散させることからはじめてみてくださいね。