有酸素運動と心拍数


有酸素運動がダイエットに良いことはよく言われていますが、なぜ良いのかその理由をご存知ですか?

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痩せる理由がわかると、運動もがぜん張り切って取り組むことができますよね。

そこで、把握しておきたいのが有酸素運動のカギといわれる心拍数

健康維持のためにも、体に負担をかけずに効率良く有酸素運動するためにも、心拍数を知っておくことはとても大切なことなんです。

ここでは、心拍数って何?というところから、心拍数が有酸素運動とどう結びついているのかを説明していきます。

心拍数とは

心拍数とは、簡単に言うと、心臓が血液を全身に送り出すときの速さのことです。

通常は1分間あたりの心臓の収縮の回数を測ります。

心拍を見ると、今日はいつもより疲れているとか、運動している場合にいつもの心拍数を把握していると、オーバーペースが早めに分かり、練習量を減らしたり、ペースを落としたりなど、気をつけることができます。

運動強度は誰でもみな同じではなく、人それぞれに合う適切な強度があります。心拍数はその運動強度を知る目安なのです。

心拍数40~60を維持するのがポイント

とても良い状態の心拍数は、最大心拍数(※を参照)のおよそ40~60%と言われています。

したがって有酸素運動ではこの数値の範囲内で運動すると、脂肪の燃焼効果が得やすいのです。

そのため、有酸素運動をこれから始めようとする方は、40~50%の強度、脂肪をもっと効率よく燃やしたければ、50〜60%をキープすることがおすすめです。

有酸素運動では、きつ過ぎず楽に続けられ、疲労しないで長く続けられるレベルが有効なのです。

ダイエットするには脂肪が効率良く燃焼できる運動レベルがあるのですね。

※最大心拍数とは

心臓が1分間に収縮できる回数の最大値です。心拍計を活用した運動では、運動の強度を「最大心拍数の◯◯%」というように決めていますが、この最大心拍数を求めるには、<220-年齢>という公式が一般的に使われています。30歳の場合の最大心拍数は190になりますね。なお、この公式は科学的に裏付けされたものではないそうです。口移しで紹介されて、次第に一般化したと言われています。

心拍数が上がると無酸素運動になる

ところで、有酸素運動を行っていても、実際には無酸素運動になっていることがあります。

どういうことかというと、運動強度が高くなると、心臓がバクバクしてきて、呼吸が荒くなるカーディオゾーンという領域となり、心肺機能の強化に向いている無酸素運動になります。

たとえば、瞬発力を要する短距離走やマラソンの最後のダッシュ、筋力トレーニングなどが無酸素運動にあたります。

無酸素といっても呼吸はしているので、全く酸素がないというわけではなく、ほとんど酸素を必要としていない状態のことです。

酸素を使って脂肪や糖質を燃焼させる有酸素運動と異なり、糖質からエネルギーを作り出す割合が高くなるのです。

このように運動強度が高くなり心拍数が上がると、無酸素運動に近くなるため、体への負担がかかってきます。

有酸素運動の開始時には、エネルギーに糖が使われますが、一定時間が経つと脂肪がエネルギーに使われます。

気をつけたいのは、運動強度が高くなってくるときです。

激しく動く無酸素運動になると、その分脂肪も多く燃焼すると考えがちですが、実は運動強度がある一定限度を越えると、脂肪の燃焼効率が下がってくるのです。この点については、次に詳しく解説します。

無酸素運動中は脂肪燃焼が減る

運動強度が65%以上になり心拍数が上がると、無酸素運動に近くなり、体への負担がかかってきます。

すると、糖をエネルギーとして使うようになり、脂肪が燃焼しにくいのです。つまり、無酸素運動のような激しい運動のときは、脂質より体の糖質が燃焼するのです。

でも、なぜ無酸素運動になると、糖がエネルギーに優先的に使われるのでしょうか。

強い力が瞬時に必要な無酸素運動では、たくさんのエネルギーをすぐに産生する必要があります。

そこで、筋肉内にすぐ使えるように蓄えられている糖質を使ってエネルギーが作り出されています。

有酸素運動では、酸素が供給されるのを待ってからエネルギーをゆっくりと生成していますが、それでは間に合わないというわけです。

無酸素運動中でも、わずかですが酸素を使って脂肪を燃焼させています。しかし無酸素に近い状態で脂肪を燃焼させても効率が悪く、また疲労物質の乳酸が溜まりやすく、長く続かないため、体脂肪が減りにくいのです。

心拍数の計測方法


では、心拍数はどのように計測するのでしょうか。方法は下記の2通りがあります。

心拍計を活用する

運動の最中に心拍数が分かれば、運動量の調節がしやすいですが、運動しながら心拍数を測るのって、なかなか難しいですよね。

そこで、運動中でも正確に心拍数を測れる心拍計を利用するとよいでしょう。

心拍計にはいろいろな種類がありますが、最近は、腕時計タイプのもので心拍数を測れる機種が多く発売されていますので、そこからお好みの物を選ぶと良いでしょう。

手首に手を当てて測る

心拍計がなければ、手首に指を当てて脈拍を測る方法があります。脈拍数は原則心拍数と数値が同じです。

  1. 手首の内側の動脈がドクドクと脈打っている箇所に、もう一方の手の人差し指と中指を当てます。
  2. 15秒間、脈が打つ回数を測ります。
  3. 測った回数を4倍にしたものが心拍数となります。

ただし、手首で測る方法は運動中に測定するのが難しく、測定値に誤差が出やすくなります。

 

オススメの有酸素運動

ジョギング、ウォーキングなどが気軽に始められる有酸素運動ですね。それぞれの特徴などをみていきましょう。

ジョギング

有酸素運動では、20分以上持続しないと効果が現れないと言われていましたが、先にお伝えしたように、最近の研究では数回に分けても効果が変わらないことが分かっています。

なので、ジョッギングで効果的にダイエットするには、一度に30分走らなくても、週3回以上10分ずつ走るなど毎日少しでも走り続けたほうがよいでしょう。

10分軽く走るのは簡単なので、このペースなら続けやすいのではないでしょうか。

運動不足気味の方は、いきなり運動強度を上げて走るより、心拍数40くらいから始めていくと、体への負担が少ないですよ。

ウォーキング

体への負担が少ない有酸素運動といえばウォーキング。ウォーキングならだれでも始められますね。

特に、ウォーキングのために時間を作らなくても、日常生活の中でついでに行えます。

通勤・通学で電車、または自転車を利用している方は、行程の一部を徒歩に変えることで有酸素運動ができますよね。

そこで、心拍数を意識すると、快適なペースで歩くことができます。

何度かウォーキングを繰り返すうちに、感覚的に自分に合うペースが身に付いてくるでしょう。そのペースで歩けば、運動効果を効率よく得ることができるというわけです。

水中ウォーキング

水中ウォーキングは、スイミングのように泳法などをマスターする必要もないので、気軽に行えます。

普段運動をほとんど行っていない方が急に運動すると、健康上の問題が起きる心配もあります。そのような場合におすすめの運動が水中ウォーキングです。

水中を歩くことで、ひとまず身体を慣らしておくと、通常のウォーキングなどの運動に速やかに移行できるでしょう。

水中では、水圧を受けながら歩くので、陸上でのウォーキングよりも実は消費カロリーが大きいのです。それなのに、水の浮力のおかげで体への負担が少ないのがメリット。

有酸素運動を始めるには、まさに最適といえます。

有酸素運動で心拍数を測るときのポイント

有酸素運動で心拍数が大切なことがわかりましたが、下記のポイントもおさえてください。

気にしすぎると効率が悪い

有酸素運動をするなら、ご紹介したように心拍数を管理しながら行う方がダイエット効果は高いです。心拍数が一定になると酸素が体の隅々まで行き渡り脂肪が燃焼しやすくなるためです。

しかし、心拍数を気にし過ぎて、細かく何度も観察するとかえって効率が悪くなります。あくまでも自分に必要な運動強度を知る目安として心拍数を測るようにするとよいでしょう。

長期的に続けられる運動にする

有酸素運動で効果を上げるためには、これまでは20分以上の運動が必要と言われていましたが、最近になってから、30分の運動を一回で行うのと、三回に分けて行うのでは効果の面で差がないことが研究によりわかりました。

つまり、合計時間が同じならば、一度でも数回に分けてもよいということです。

より高い脂肪燃焼には、適度な運動時間と心拍数からわかる適切な運動強度、そして、数か月以上長期的に続けられる運動が必要です。

心拍数を測るダイエット


心拍数を測るダイエットについて以下に追記したいことをまとめました。

呼吸から心拍数を測る

心拍数から運動強度を判断する方法をご紹介してきましたが、呼吸からも大雑把ですが心拍数がわかるのです。主観的運動強度といいますが、下の図のようになります。

心拍計がない場合は、自分の呼吸に注意を向けることで、安定した運動強度を保てます。

RPE(自覚的運動強度)と心拍数との相対関係
主観的運動強度 Ratings of perceived exertion (RPE).
最もダイエットに効果的な主観的運動強度は「やや楽」〜「ややきつい」と感じる、40〜60%の強さ

日本医療・健康情報研究所

20分以上の有酸素運動を週3回以上続ける

有酸素運動は基本的に20分以上の運動を週3回以上行うことで効果が得られます

週3回でも十分効果があるのですから、うれしいですよね。

有酸素運動は分散させることで運動効果が積み上げられると考えられています。体脂肪も燃焼しやすくなります。

有酸素運動と心拍数のまとめ

ダイエットを意識すると、まずは有酸素運動を始めてみようと思う方が多いと思います。

そんな有酸素運動で効果をより高めるには、脂肪燃焼と深く関わりのある心拍数を意識しながら、自分のペースをつかんで行うことをおすすめします。

有酸素運動は、運動中の呼吸により取り入れた酸素で脂肪を燃やしてエネルギー源にする運動です。

どんなエクササイズでも、大切なことは長期的に続けること。長続きできればば効果も自ずと実感できるでしょう。

心拍数を知って、自分のペースに合わせて効率よく行えば、脂肪の燃焼が促されます。

ボディラインが少しずつでも変われば運動がもっと楽しくなってくるでしょう。

有酸素運動の強度や運動時間、回数などを見直して、体脂肪を思う存分燃焼させてください。

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